医療ニュース

2007年2月24日(土) 早い初潮・出産経験なし・高身長が乳がんのリスク

 食習慣の欧米化などで近年増加しているのが乳がんで、90年代半ばから女性のがんのトップになっています。

 これまでも、初潮が早く来た人や出産経験のない人は乳がんにかかりやすいということが言われていましたが、それを裏付ける調査結果が発表されました。この調査は厚生労働省の研究班がおこなったもので2月22日の毎日新聞が報道しています。

研究班は、90年と93年に全国の40から69歳の女性約56,000人にアンケート調査をおこない、身長・体重、初潮の時期、出産回数などを調べました。アンケート協力者のうち2002年までに441人が乳がんにかかっています。

 分析の結果、閉経前の女性の場合、初潮が14歳未満だと、16歳以降だった人に比べ乳がんになる率が約4倍になりました。閉経後の女性では、乳がんになる率は初潮と関連がみられませんでした。

 出産経験がない女性が乳がんになる率は、経験がある女性の1.9倍という結果が出ました。出産回数が増えるほどがんになる率が下がり、5回以上出産した人は、1回の人の4割弱だったようです。

 また身長160センチ以上の女性は、148センチ未満に比べると、閉経前で約1.5倍、閉経後で約2.4倍、乳がんにかかる率が高いという結果が出ています。

 閉経後の肥満もリスクとなるようです。体格指数(BMI)が30以上の肥満の場合、リスクは19未満のやせ形の2倍以上という結果になっています。

 初潮や出産が乳がんに影響するのは、体内の女性ホルモンの状態が変化するのが理由と考えられます。

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 この調査をおこなった頃と比較して、現在は、全体的に女性は高身長となり初潮も早くなってきています。今回の調査では現在中高齢者の方を対象としているため、この結果が必ずしも現代の若い女性にあてはまるかどうかは分かりませんが、乳がんも他のがんと同様、早期発見が重要な疾患です。

 すてらめいとクリニックでは、クリニック内での乳がん健診は現在おこなっていませんが、必要な方には専門の医療機関を紹介しています。