医療ニュース

2007年3月5日(月) ビタミンCは白内障を予防する

 ビタミンCを多く摂る人は、摂取量の少ない人に比べて老人性白内障にかかりにくい。

 厚生労働省の研究班がこのような疫学調査を2月27日に発表しました。(報道は同日の共同通信)

 研究班は、岩手・秋田・長野・沖縄の4県で、45歳から64歳の男女約35,000人を1995年から5年間追跡しました。白内障にかかった767人の食生活と、かからなかった人の食生活を調べたところ、ビタミンCを日本人の平均的な摂取量(1日110-120ミリグラム)の2倍近く摂る人は、半分程度しか摂らない人に比べ、男性で35%、女性で41%、白内障にかかりにくいことが判りました。手術が必要なほど重症化する危険度は、男女とも30%以上低くなっていました。

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 同様の研究は海外でも報告があり、ビタミンCの白内障に対する予防効果は確立されつつあるといえます。

 ビタミンEやベータカロチン、コエンザイムQ10などは、健康を促進するどころか、かえって病気になりやすいという研究や副作用の報告が少なくありませんが、ビタミンCについては、軽度の下痢や嘔気などを除けば有害性についてほとんど聞いたことがありません。

 風邪の予防やコラーゲン産生促進、また美白効果など、いいことづくしのビタミンCです。度を越さなければ積極的に摂取すべきでしょう。