医療ニュース

2007年4月17日(火) 米国CDCが淋病の治療指針を変更

 4月12日のCNN.COMによりますと、米国CDC(疾病管理局)は、淋病の治療ガイドラインを変更することを発表しました。

 米国ではこれまでフルオロキノロン系抗生物質を第一選択薬としていましたが、耐性菌の出現が急増し、フルオロキノロンを使わないような指針に変更するとしています。

 今後は、フルオロキノロン系の代わりに2つの抗生物質が推奨されます。ひとつはceftriaxoneの注射(点滴)、もうひとつはcefiximeの錠剤です。しかしこの錠剤は米国では2002年以降特許が切れたことなどの理由で製造しておらず、FDA(食品医薬品管理局)は、製薬会社にこの錠剤のジェネリック薬品の製造を求めています。

 米国では年間70万人が淋病に感染しており、クラミジアに次いで2番目に多い性感染症となっています。

 CDCのスタッフであるケヴィン・フェントン医師(Dr.Kevin fenton)は次のようにコメントしています。

 「淋病に対する新しい有効な治療法が開発されなければならない。この深刻な病の治療法方が少なすぎるのは問題である・・・」

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 日本ではフルオロキノロン系で最もよく使用されているのはレボフロキサシン(商品名はクラビット)です。クラビットが淋病に効かないのは日本の医師の間では常識ですが、米国でも同じような傾向になってきているのでしょう。

 淋病は同じ日本国内でもどの抗生物質が効くか効かないかに地域差があります。例えば大阪ではアンピシリンという飲み薬の抗生物質が7から8割くらいは有効ではないかと私は感じています。たとえ飲み薬で効かなかったとしても点滴もしくは注射でほぼ治ります。すてらめいとクリニックでは、上記にあるceftriaxone(商品名はロセフィン)を点滴治療に使っています。

 CDCのスタッフは淋病を「深刻な病(serious disease)」としていますが、淋病は比較的簡単に治る病気ですから、早期発見・早期治療を心がけていればそれほど心配することはありません。