医療ニュース

2007年7月30日(月) 肥満は伝染する?! 米国の大規模調査

 友人や兄弟、妻や夫が肥満になれば、自らも肥満になる・・・

 このような調査結果を、米国ハーバード大学などの研究チームが医学誌に発表し話題を呼んでいます。(報道は7月26日の共同通信。発表された医学誌の名称は報道されていません)

 研究チームは、米国マサチューセッツ州でお互いに関係のある成人約12,000人の集団を約32年間にわたって追跡調査をおこないました。BMI(*1)が30以上の肥満となった人を取り巻く人間関係と、相手のBMIなどとの関係を統計的に解析しています。

 その結果、友人が肥満になった人は、そうでない人に比べて肥満になる危険性が57%増加していることが分かりました。兄弟であれば40%、配偶者であれば37%の増加です。

 さらに興味深いのが、男性の友人同士だと危険性は100%になるのに対し、女性の友人同士であれば38%にとどまり、また異性の友人同士では相関関係はないそうです。

 研究チームは、「肥満への抵抗感がなくなってしまうことが一因で、先進国で社会問題となっている肥満が、親密な人間関係の中で広がる側面があることを示す結果だ」と分析しています。

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 この結果は日本にもあてはまるのでしょうか。太った夫とやせた妻、あるいはその逆のカップルは日本でよく見ますし、男性の友人同士で危険性が100%というのはにわかには信じがたいように思うのですが、みなさんの周りはいかがでしょうか。

*1 BMIはBody Mass Indexの略で、日本語にすれば「体格指数」となります。体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割って算出します。例えば、体重88キロ、身長2メートルの人であれば、88÷4(2の2乗)=22となります。