医療ニュース

2007年8月28日(火) 中年太りがキケン

 20歳の頃の体重があなたのベスト体重なんですよ・・・

 肥満のある患者さんに対して、我々医師はこのようにアドバイスすることがあります。これは、経験的に正しいと考えられてきたことですが、最近、このことを裏付けるデータが発表されました。

 若い頃にやせていた男性が中高年になってから太ると心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかるリスクは2倍に高まる・・・

 このような調査結果が厚生労働省研究班によって今月発表されました。(報道は8月22日の日本経済新聞)

 研究班は、全国の40-69歳の男女約9万人を10年間にわたって追跡調査をおこないました。期間中に男性399人、女性119人が心筋梗塞を発症したり、心臓が原因で急死したりしていました。20歳の頃の体重を調べ、調査時点までの体重変化によって5つのグループに分けて発症との関連を調べました。

 BMI(注)が20歳のときに21.7未満で、調査時点の40歳以降に体重が10キロ以上増加していた男性は、体重の増減が5キロ以内だった人に比べて虚血性心疾患にかかるリスクが2倍という結果となっています。

 女性の場合は、虚血性心疾患にかかった人の数が少なく、いずれの調査でも肥満との関連は確認できなかったそうです。

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注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。