医療ニュース

2008年2月19日(火) 不眠不休は脳にダメージ

 ラットをほとんど眠らせないで5日間活動させると、脳内の下垂体(ホルモン分泌を司る部位)の細胞の一部が死滅することが、大阪市立大学の研究であきらかとなりました。(報道は2月18日の共同通信)

 これは、強いストレスが過剰なホルモン分泌につながり、その結果細胞が働きすぎて死滅すると考えられるそうです。研究者らは、「人間にも同じホルモン分泌細胞がある」と指摘し、「徹夜勤務が続くなど過労が原因で起きる病気に関係しているかもしれない」とコメントしています。

 しかし、ストレスを加えたラットを2,3日休ませると、分泌細胞は元通りに再生するようです。研究者らは、「早めに休み、疲れを溜め込まないことが大切」としています。

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 私が就職活動をしていた1990年当時、「24時間働けますか」という言葉が流行語になっていました。あの頃は不眠不休で働くのが当たり前のような時代でしたが、その後バブル経済の崩壊と共に、「ゆとり」や「癒し」といった言葉が流行るようになりました。

 この研究からも分かるように、適度な休息をないがしろにしていると、身体を痛めることになりますし、仕事の効率も落ちるでしょう。

 「24時間働けますか」と問われていたあの頃よりも、勤務時間が長い今の私もやがて破綻してしまうのでしょうか・・・

(谷口恭)