医療ニュース

2008年3月12日(水) イソフラボンで乳がん減少

 大豆などに含まれるイソフラボンの一種「ゲニステイン」の血中濃度が高い女性は、低い女性に比べると、乳がんになる危険性が約3分の1になる・・・

 厚生労働省の研究班がこのような発表をおこないました。(報道は3月7日の共同通信)

 調査は、岩手、秋田、大阪など9府県の40~69歳の女性約2万5千人を平均10年半で追跡することによっておこなわれています。この間に乳がんになった144人と、ならなかった288人について、保存してあった血液の成分が比較されています。

 血中のゲニステインの濃度で、対象を4グループに分けた結果、中央値が354ng/mLと最も多いグループは、約32ng/mLの最少のグループに比べて、乳がんの危険性が3分の1という結果がでています。尚、もう1つのイソフラボン「ダイゼイン」では同様の関連はみられなかったようです。

 研究班によりますと、354ng/mLは、1日あたりイソフラボン約47mgを摂取した結果と推定され、これは豆腐なら約3分の1丁の100グラム、納豆なら約50グラムに相当するそうです。

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 イソフラボンは、数年前からサプリメントとして市場に浸透しており、がん予防の目的で摂取している人は少なくないようです。

 この点について、研究班は、「今回の調査は食事で摂取する場合のものであり、サプリメントなどの影響に関するデータはない」としています。

 やはり、安易にサプリメントに頼るのではなく、きちんとした食事を心がける方がいいでしょう。

(谷口恭)