医療ニュース

2008年3月18日(火) 寝過ぎでも寝不足でも糖尿病のリスクが増加

 睡眠は長すぎても短すぎても糖尿病になりやすく、1日5時間未満では肥満になりやすい・・・

 このような研究が日本大学公衆衛生学教室より発表され話題を呼んでいます。(報道は3月13日の日本経済新聞)

 これまでも睡眠時間が短い人と長い人は死亡の危険性が高いことは知られていましたが、今回の研究では生活習慣病へのリスクが高まることが分かりました。

 研究チームは、地域の健診データ(約1,000人分)や職場の健診データ(約22,000人)などを分析し、睡眠時間が6時間以上8時間未満で糖尿病のリスクが最も少なく、6時間未満や8時間以上ではリスクが3~5倍になるとの結果を出しています。

 男性勤務者を対象とした調査では、睡眠時間5時間未満の人は、7年後に肥満になる危険性が5時間以上の人の1.2倍、さらに糖尿病になりやすいことも分かりました。また、太った人は、7年後に睡眠が5時間未満になる確率が、太っていない人の1.2倍であるとの結果もでています。

 動脈硬化の原因となる脂質代謝異常(高脂血症)については、成人女性で、睡眠時間6時間以上7時間未満が最もリスクが少なく、5時間未満か8時間以上で増加しています。

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 厚生労働省の国民健康・栄養調査によりますと、外食や欠食が多くストレスを感じる人ほど睡眠時間が短い傾向にあります。

 どうやら、規則正しい食生活・運動に加え、適切な時間の睡眠が生活習慣病の予防には不可欠なようです。

(谷口恭)