医療ニュース
2008年4月16日(水) お金がなくて病院に行かなかった人が3割
「費用がかかるから」という理由で過去1年間に医療機関の受診を控えた経験のある人は3割にもなる・・・
このような発表をNPO法人「日本医療政策機構」がおこない話題を呼んでいます。(報道は4月15日の毎日新聞)
同機構は、今年の1月、無作為に抽出した全国の20歳以上の4,000人に調査用紙を送り、926人から有効回答を得ています。
体調が悪いのにもかかわらず「費用がかかるから」という理由で受診を控えたのは全体で31%、低所得層(世帯年収300万円未満)では39%にも達しています。高所得層(世帯年収800万円以上)でも18%、中間層は29%となっています。
さらに、「(費用がかかるから)薬を処方してもらわなかった経験がある」と答えた人も12%にのぼっています。所得層別にみると、高所得層は2%、中間層は11%、低所得層は16%です。
同機構によりますと、2001年時点の海外の調査では、受診を控えた経験のある人は、イギリス3%、カナダ5%、アメリカ24%となっています。
OECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟30ヶ国中、イギリス、カナダなど10カ国は医療費の個人負担がゼロです。フランスは日本と同様3割負担ですが、社会的弱者や長期の病気の場合は負担がゼロになります。
*********
尚、日本のGDPに占める医療費の割合は、約8%で、G7平均の10.2%より大幅に少なく、OECDの平均8.9%よりも下回っています。
この調査を踏まえると、日本は医療費の個人負担が世界的にみて多すぎる、もっと公的な負担を増やして医療機関にかかりやすいようなシステムにすべき、となります。
すてらめいとクリニックでは、診察室で先に費用を示してから検査や薬の処方にすすむようにしていますが、ときどき、「先生、今日は2千円しかないからこれでおさまるようにして!」というような方がおられます。
我々医療従事者からすると、このようにお金がなくてもとりあえず受診してくれると助かります。お金が無いなら無いなりになんとかなる場合もありますし、「費用がかかるから」という理由で受診されないと重症化してしまうこともあります。
医療費の個人負担が高いのはたしかに問題ですが、「高い!」と言ったところで何も解決しません。まずは、「お金がなくても受診する」という意識が必要だと思います。
(谷口恭)
このような発表をNPO法人「日本医療政策機構」がおこない話題を呼んでいます。(報道は4月15日の毎日新聞)
同機構は、今年の1月、無作為に抽出した全国の20歳以上の4,000人に調査用紙を送り、926人から有効回答を得ています。
体調が悪いのにもかかわらず「費用がかかるから」という理由で受診を控えたのは全体で31%、低所得層(世帯年収300万円未満)では39%にも達しています。高所得層(世帯年収800万円以上)でも18%、中間層は29%となっています。
さらに、「(費用がかかるから)薬を処方してもらわなかった経験がある」と答えた人も12%にのぼっています。所得層別にみると、高所得層は2%、中間層は11%、低所得層は16%です。
同機構によりますと、2001年時点の海外の調査では、受診を控えた経験のある人は、イギリス3%、カナダ5%、アメリカ24%となっています。
OECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟30ヶ国中、イギリス、カナダなど10カ国は医療費の個人負担がゼロです。フランスは日本と同様3割負担ですが、社会的弱者や長期の病気の場合は負担がゼロになります。
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尚、日本のGDPに占める医療費の割合は、約8%で、G7平均の10.2%より大幅に少なく、OECDの平均8.9%よりも下回っています。
この調査を踏まえると、日本は医療費の個人負担が世界的にみて多すぎる、もっと公的な負担を増やして医療機関にかかりやすいようなシステムにすべき、となります。
すてらめいとクリニックでは、診察室で先に費用を示してから検査や薬の処方にすすむようにしていますが、ときどき、「先生、今日は2千円しかないからこれでおさまるようにして!」というような方がおられます。
我々医療従事者からすると、このようにお金がなくてもとりあえず受診してくれると助かります。お金が無いなら無いなりになんとかなる場合もありますし、「費用がかかるから」という理由で受診されないと重症化してしまうこともあります。
医療費の個人負担が高いのはたしかに問題ですが、「高い!」と言ったところで何も解決しません。まずは、「お金がなくても受診する」という意識が必要だと思います。
(谷口恭)