医療ニュース

2008年4月19日(土) 乳製品を多くとる男性は前立腺癌になりやすい!

 牛乳やヨーグルトなど乳製品を多く摂る男性は、ほとんど摂らない人に比べて、1.6倍も前立腺癌になりやすい!

 このような発表が厚生労働省研究班によっておこなわれ話題を呼んでいます。(報道は4月16日の日経新聞)

 この調査は全国の45歳から74歳の男性約4万3千人を平均7年半にわたり追跡しています。乳製品をどれくらい摂取しているかを調べ、4つのグループに分けて前立腺癌になる危険性を調べています。調査期間中329人が前立腺癌と診断されています。

 乳製品の摂取量が最も多いグループ(1日約340グラム)は、最も少ないグループ(ほとんど摂取していない)に比べ、前立腺癌の危険性が1.63倍大きくなっています。

 なぜ乳製品が前立腺癌のリスクになるかは分かっていませんが、乳製品に含まれるカルシウムが血中ビタミンDの濃度を抑えることや、飽和脂肪酸が男性ホルモン濃度を上昇させることが原因ではないかとみられています。

 ただ、乳製品は骨粗しょう症や高血圧、大腸癌に対する予防効果があるとする研究もあり、研究班は「乳製品の摂取を控えた方がいいとは一概に言えない」とコメントしています。

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 「乳製品が悪い」とする研究は珍しいと言えるでしょう。

 前立腺癌については、米国の医学誌「Journal of the National Cancer Institute」の2007年5月16日号で、「マルチビタミンを過剰に摂取するとリスクが増大する」という報告がおこなわれています。

 また、迷信のようなものだと思いますが、「たくさんの女性と性交渉の経験がある男性は前立腺癌になりやすい」と言われることもあります。

(谷口恭)