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2008年5月6日(火) 中高年男性の半数がメタボ、糖尿病も急増

 厚生労働省が4月30日に公表した「2006年国民健康・栄養調査」によりますと、40から74歳のメタボリック症候群の該当者とその予備軍の推計人数は合計約1,940万人で、これは、男性の2人に1人、女性の5人に1人に上ることが分かりました。

 少し詳しくみてみると、メタボリック症候群の該当者は約960万人で、男性全体の24.4%、女性の12.1%に相当します。予備軍は約980万人で、男性の27.1%、女性の8.2%にあたります。

 メタボリック症候群の診断基準はよく議論になりますが、今回厚労省が採用している診断基準は、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、高血圧、高脂血、高血糖の2つ以上に当てはまるとメタボリック症候群の該当者、1つの場合は予備軍としています。
 
 また、成人の糖尿病患者と予備軍の総人数は2006年時点で約1,870万人に上ると推計されます。

 男性が880万人、女性は990万人で、5.6人に1人の計算となります。2002年の前回調査より250万人(15.4%)の増加で、このうち女性が200万人と大半を占めています。(糖尿病は男性よりも女性で急速にすすんでいるということになります) 尚、1997年の調査では約1,370万人となっています。

 この調査は2006年11月、全国の約3,600世帯を無作為に抽出し、4,296人の血液検査結果や調査票への回答を基に、成人全体の推計値を算出しています。

 血液中のHbA1Cが6.1%以上を「糖尿病が強く疑われる人」とし約820万人、5.6%以上6.1%未満を「糖尿病の可能性を否定できない人」(予備軍)として約1,050万人となっています。

 年代別の人口に占める割合は70歳以上が34.8%(男性35.4%、女性34.3%)と最多で、若い世代ほど少なくなっています。60代では29.0%、50代は23.0%、40代が13.6%、30代は4.1%、20代が1.1%です。2002年時に比べ、40代男性が6.2%増加、50代女性が5.5%増加、70歳以上の女性も6.0%増加となり中高年の増加が目立っています。

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 メタボリック症候群が1,940万人、糖尿病が1,870万人ということは、メタボリック症候群と診断される人の大半が糖尿病のハイリスクグループということになります。

 自覚症状の乏しいまま進行する糖尿病の成れの果ては、失明、人工透析、足の切断・・・、と人間らしい生活を奪うものばかりです。

 2人に1人がメタボなどと聞くと、誰もが他人事ではなくなるでしょう。食事や運動に無頓着の私自身が怖くなってきました・・・

(谷口恭)