医療ニュース

8/31 ミドリガメのサルモネラに要注意

 2013年8月12日、厚生労働省は、「カメ等のハ虫類を原因とするサルモネラ症に係る注意喚起について」というタイトルの情報提供をおこないました(注1)。

 これは米国でサルモネラの集団発生が繰り返し起こっていることを受けてのものです。2011年5月から2013年5月の2年間で、米国で合計8つの集団発生が報告されています。疫学調査の結果、カメもしくはカメを飼育する水槽の水などから感染したことが示唆されるそうです。詳しくは2013年5月24日付で、CDC(米国疾病管理局)が発表しています(注2)。

 カメ等の爬虫類については、日本国内においてもサルモネラ属の細菌を保有していることが少なくないことがわかっています。(50~90%は感染していると言われています)

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 人がミドリガメなどの爬虫類と接すると、わずかに触れただけであってもサルモネラに感染することがあります。感染すると、最初に起こるのが胃腸炎の症状(特に下痢)です。ミドリガメに接したエピソードがあって、こういった症状が出現したときは軽症であったとしてもサルモネラ感染を疑うべきです。

 重症化すると髄膜炎や敗血症に以降することがあり、そうなると、稀ではありますが、命にかかわる状態になることもあります。特に、新生児や高齢者、あるいは免疫不全者などは容易に重症化する可能性があります。

 カメに近づいてはいけない、とまでは言えませんが、扱いには充分注意が必要です。少しでも触った可能性があれば直ちに手洗いすることが重要です。本人は感染しなくても、サルモネラが付着した手で新生児や免疫不全の人に触れると大変なことになる可能性があるからです。


注1 この情報は下記のURLで閲覧することができます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20130812-01.pdf

注2 CDCのこの報告は下記のURLで閲覧することができます。
http://www.cdc.gov/salmonella/small-turtles-03-12/index.html