2014年9月 8日 月曜日

◎新発売の爪水虫の塗り薬について

爪の水虫(爪白癬)は従来の塗り薬ではほとんど治ることがなく飲み薬が必要です。しかし、爪の水虫にも効果がある塗り薬「クレナフィン」が2014年9月に発売されました。全例が治るわけではありませんし(製造元の科研製薬のデータによれば1年後の完全治癒率は17.8%)、薬価も安くはありません。しかし何らかの理由で内服薬が飲めない、あるいは飲みたくないという患者さんには今後普及していくかもしれません。

詳しくは科研製薬の下記URLを参照ください。
http://clenafin.jp/press.html

★(医)太融寺町谷口医院の見解

飲み薬で爪の水虫を治療した場合、ほとんどのケースで治癒します。飲み薬は2種類あり、双方とも登場した当初は薬価が高く使いにくかったのですが、現在は後発品(ジェネリック薬品)がありますから、飲み薬で爪水虫を治すのが現在の一般的な治療です。
2つの内服薬と「クレナフィン」を比べてみたいと思います。(治療法1と2の薬は当院で扱っている後発品の場合です。価格はいずれも3割負担の場合です)
〇治療法1 イトラコナゾール内服パルス療法(治療期間3ヶ月、合計約15,000円)

1日8錠を7日間内服し3週間休みます。これを3回繰り返します。薬剤費は処方代を入れて合計10,980円(3,660円x3回)です。
薬剤費以外に診察代3回分と水虫がどの程度いるかを調べる顕微鏡の検査代がかかり、薬剤費も入れた総合計は15,000円程度です。
〇治療法2 テルビナフィン内服(治療期間6ヶ月、合計約14,000円)

1日1錠を約6ヶ月続けて内服します。薬剤費は処方代を入れて合計5,820円(970円x6回)です。薬剤費以外に診察代6回分と水虫がどの程度いるかを調べる顕微鏡の検査代、さらにこの薬は肝機能障害のリスクがあるために最低一度は血液検査が必要になります。
これらをすべて合算すると、薬剤費も入れた総合計は14,000円程度です。
〇治療法3 クレナフィン外用(治療期間12ヶ月、合計約63,000円)

1日1回爪全体に塗布します。1本で2週間もつと考えた場合、合計24回の受診が必要になります。(新しい薬は2週間ごとの処方しかできないという規則があります) 薬剤費は1本約1,800円で処方代も含めて考えると合計約46,000円となります。
薬剤費以外に合計24回分の診察代と月に一度の水虫がどの程度減っているかを調べる顕微鏡の検査代を加えると総合計約63,000円となります。

このようにみてみると、塗り薬のクレナフィンは費用もかかり、治療期間も長く、また治癒率17.8%ということを考えると、手放しでとびつきたくなる治療法とはいえないかもしれません。治療中はペディキュアもできません。とはいえ、例えば妊婦さんのようにどうしても薬が飲めない(飲みたくない人)という人もいるでしょうし、軽症であれば1年間も使わずに治ることもあるかもしれませんから選択肢の1つとして考えるのは悪くないと思います。


2014年9月8日

投稿者 osaka-genova.co.jp