医療ニュース

2017年9月4日 地中海料理が健康にいいのは高学歴か高収入のみ!?

 日本料理は健康にいいとされていますが、より多くの論文が発表され有効性が世界的に認められているのは日本料理よりも地中海料理です。特に動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐことができると言われています。ですが、気になる研究が最近発表されました。

 なんと、地中海料理で心疾患予防の恩恵を受けられるのは、高学歴者か高収入者のみというのです!!

 医学誌『Epidemiology』2017年8月1日号(オンライン版)で研究が報告されています(注1)。研究の対象者は、35歳以上のイタリア人の男女合計18,991人です。調査期間の4.3年間の間に合計252人が心筋梗塞などの心血管疾患を発症しています。全体で評価すると「地中海料理スコア(Mediterranean diet score)」が2ポイント増加(ポイントが高いほど健康的な地中海料理をたくさん食べている)すると、心血管疾患発症リスクが15%減少していました。

 興味深いことに、このような関連性は高学歴者に顕著であり、高学歴者の場合は地中海料理により57%も心疾患のリスクが減少するのに対し、高学歴でない人はわずか6%しか低下していません。収入でみてみると、高収入の人は61%も低下するのに対し、高収入でない人にはリスク低下は認められません。

 なぜこのような差が出るのか。高学歴・高収入の人は、有機野菜、全粒パン、ポリフェノールを含む食品など、多くの種類の抗酸化物質が豊富に含まれる食品を摂取していることが判明し、研究者らはこれが原因であろうとみています。

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 どうやら本当の理由は「抗酸化物質を豊富に含む多種類の食品」にありそうです。おそらく、上等のワインやオリーブオイル、新鮮な魚などは安くないのでしょう。高収入者はそういった食品を抵抗なく購入することができ、高学歴者はさほど収入が高くなかったとしても食事にお金をかけるべきだということを知っている、ということでしょうか。

注1:この論文のタイトルは「High adherence to the Mediterranean diet is associated with cardiovascular protection in higher but not in lower socioeconomic groups: prospective findings from the Moli-sani study」で、下記URLで概要を読むことができます。

https://academic.oup.com/ije/article-abstract/doi/10.1093/ije/dyx145/4056503/High-adherence-to-the-Mediterranean-diet-is?redirectedFrom=fulltext


参考:
はやりの病気第131回(2014年7月)「認知症について最近わかってきたこと」
医療ニュース:
2014年6月2日「オリーブオイルで心房細動が予防できる可能性」
2014年1月6日「ナッツを毎日食べると健康で長生き」