医療ニュース

2018年4月5日 コーヒーの発がん性をLA高等裁判所が認定

 コーヒーについて米国で驚くべきニュースが報じられました。

 米国ロサンゼルス高等裁判所がコーヒーの発がん性を認め、スターバックスなどコーヒーの販売業者に、「コーヒーには発がん性物質が含まれている」という警告を店内に表示するよう義務付けるというのです。2018年3月30日のAP通信が報道しています。

 この判決が下されたのは地方裁判所ではなく高等裁判所(Los Angeles Superior Court )です。スターバックスなど販売側は最高裁判所に上告することはできますが、この時点で相当大きな問題となっていると思われます。

 AP通信によると、原告側はコーヒーの焙煎過程で生じるアクリルアミドを取り除くか、警告の表示をするよう求めていました。これに対し、被告側(販売側)は、健康に影響が及ぶほどではなく健康上の利点が上回ることを主張していました。

 裁判所の判決は、「原告側は主張を裏付ける証拠を提出したのに対し、被告側の主張は根拠が不十分であった」、と同通信は報じています。

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 コーヒーはかつてはWHOも発がん性を指摘していました。しかし、2016年6月15日、WHOの下部組織であるIARC(International Agency for Research on Cancer、国際がん研究機関)は「発がん性を示す決定的な証拠はない」として、事実上「安全」であると公表しています。

 このニュース、日本ではあまり報道されていないようですが、もしも米国のスターバックスで「警告」が表示されるようになれば、おそらく日本の消費者団体も何らかの行動をおこすのではないでしょうか。

 コーヒーについてはこのサイトで何度も述べているように健康に寄与するエビデンス(科学的確証)がいくつもあります。カリフォルニアのこの判決には惑わされない方がいいのでは、というのが私の意見です。


参考:医療ニュース
2016年8月12日 加工肉はNGだがコーヒーはガンのリスクでない