はやりの病気

2021年11月8日 片頭痛は認知症のリスク

 過去に紹介した医療ニュースで「片頭痛がアルツハイマー病のリスクになる」とする研究について紹介しました(医療ニュース2019年10月27日「片頭痛があればアルツハイマーのリスクが4.2倍」)。この研究はかなりのインパクトがあり、この医療ニュースを読んだ方からの問合せも多かったのですが、最近はあまり触れられなくなってきていました。

 最近、同じように片頭痛が認知症のリスクであることを示した研究が報告されたので紹介します。

 医学誌「Acta Neurologica Scandinavica」オンライン版2021年9月15日号に掲載された「片頭痛と認知症のリスクにおけるメタ解析(Meta-analysis of association between migraine and risk of dementia)」という論文です。

 冒頭で述べた過去に紹介した研究は「前向き研究」と呼ばれる信頼度の高い検査です。今回紹介する研究は「メタ解析」で、これまでに発表された質の高い5つの研究を総合的にまとめ直したものであり、さらに信頼度は高いと言えます。研究の総対象者は合計249,303人とかなり多い人数が選ばれています(よって信ぴょう性は上がります)。結果は以下の通りです。

・片頭痛はすべての認知症のリスクを34%上昇させる。

・片頭痛はアルツハイマー病のリスクを2.49倍上昇させる

・ただし、片頭痛は血管性認知症のリスクを上昇させるわけではない

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 この論文、片頭痛がある人には非常に不快なものではないでしょうか。もしも「片頭痛は血管性認知症のリスクを上げる」なら、血管性認知症のリスクを下げる生活習慣を身に着ければいいわけです。例えば、運動をする、適正体重を維持する、などです。

 ですが、血管性認知症のリスクではなくアルツハイマー病のリスクを上げるとなると、対策のとりようがありません。もちろん、運動や適正体重、良質な食事などはアルツハイマー病のリスクを下げるとは言われていますが、決定的なものではありません。

 冒頭で紹介した過去の論文も「リスクが4.2倍」という悩ましいものでしたが、研究の規模はさほど大きくありませんでした。今回の結果は2.49倍と4.2より数字は小さいわけですが、メタ解析されたもので信頼度はかなり高いと言えます。しかも、そのリスクを下げるための決定的なものはないわけです。

 受け止められない人も多いでしょうが、片頭痛がある人は「アルツハイマー病になる」という前提で今後の人生計画を立てた方がいいかもしれません。