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2022年10月13日 鼻うがいで新型コロナ感染後の重症化リスク低減

 私が「谷口式鼻うがい」を初めて実施したのが約10年前の2012年12月末です。そして、その後風邪は一度も引いていません。

 新型コロナウイルス(以下、単に「コロナ」)の流行が始まっていた2020年2月、当時の私は診察室でさえもマスクをしていませんでした。マスクにはコロナを防ぐ効果がありませんし(ただし「感染させない」効果があることがその後分かりました。よって当時の私は間違っていました)、ましてコロナより粒子の小さいインフルエンザやライノウイルスにはほとんど効果がありません。

 しかし、私はコロナが始まったときから「自分はコロナに感染しない」という自信がある程度あり、実際一度も感染していません。毎日、発熱外来を実施していても、です。「絶対にかかりません」とまでは言えませんが、なぜ、そこまで強気なことが言えるかというと、鼻うがいを初めてから一度も風邪をひいておらず、その記録がもうすぐ10年になるからです。

 しかし、鼻うがいはコロナどころか風邪に有効とする研究もほとんどありません。そんななか、ついに有効性を示した論文が登場しましたので紹介します。

 生理食塩水を用いた1日2回の鼻うがいで、入院および死亡リスクが1/8に低下する

 医学誌「Ear, Nose & Throat Journal」2022年8月25日に「重症化リスクのある新型コロナウイルス感染者のリスクを軽減するために生理食塩水による鼻うがいを実施(Rapid initiation of nasal saline irrigation to reduce severity in high-risk COVID+ outpatients)」にこのような研究が報告されました。

 また、米国の医療メディア「Health Day News」はこの論文をわかりやすく解説しています。結論からいえば、「鼻うがいをしていなかった人はしていた人に比べて入院または死亡のリスクが8.57倍も高くなる」となり、2021年11月の米国で言えば、「鼻うがいにより入院を要する高齢者が100万人以上減る」ことを意味します。

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 「谷口式鼻うがい」はとても簡単で、生理食塩水すら不要です。必要なのは10mLか20mLのシリンジ(プラスティック製の注射器)1本です。これはAmazonで買えます。

 ただし、どこでもできるわけではなく「場所」は選びます。その場所とは風呂場です。この方法は簡単で痛くもないのですが、周囲が(不潔な水の)水浸しになります。私は風呂場にシリンジを置いておいて、1日2回この鼻うがいを実施しています。

 これから私の「風邪をひかない記録」がどこまで更新できるのか、自分でも楽しみです。

参考:毎日新聞医療プレミア(すべて無料で読めます)
鼻にいるコロナは喉の1万倍 対策は「うがい」
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