お詫び~階上ボクシングジムの振動・騒音について~
◎階上ボクシングジムの振動・騒音の問題について
誠に残念ではありますが「閉院」以外の選択肢はないと判断するに至りました。裁判は進行中で、当院としては振動の大きさを記録したデータも提出しており、もちろんこれは当院に有利です。しかしながら、当院が勝訴したとしても、実際にボクシングジムが工事を着手するのはかかり先になりそうなことに加え、最近、振動が(頻度は激減しているものの)以前よりも悪質なものが増えています。針刺し事故のリスクが急増していることから(実際に危機一髪で免れるようなケースもありました)、2023年6月30日を最後に閉院することになりました。
裁判は下記のように進められてきました。
事件番号:大阪地方裁判所令和4年(ワ)第540号大地16民3B係
第1回期日:2022年3月9日 終了
第2回期日:2022年4月27日 終了
第3回期日:2022年6月16日 終了
第4回期日:2022年7月20日 終了
第5回期日:2022年9月13日 終了
第6回期日:2022年10月25日 終了
第7回期日:2022年12月8日 終了
第8回期日:2023年2月16日 終了
第9回期日:2023年3月24日 終了
第10回期日:2023年4月24日 予定
参考:日経メディカル「ボクシングジム振動問題、ついに裁判が始まる」
〇これまでの経緯
・2020年12月 ボクシングジムが階上に入居(事前の連絡や挨拶は皆無)
・~2021 年 4 月 「患者さんのために振動を控えてもらいたい」と繰り返し依頼したが変わりなし。ジムの社長と話をして 4月末に防振・防音工事をする約束を得た。
・2021 年 5 月 まったく改善しておらず「本当に工事をしたのなら証拠を見せてほしい」と依頼すると、意味不明の写真が送付されたため、その説明を依頼したが無回答。しかし、「今度はきちんとした工事を6月20日を目途に開始する」との約束を文書で得た。
・2021年7月 「やっぱり工事はやらない」という連絡が来た。話し合いが成立しないため、当院としては裁判を起こす以外に方法はないという結論に達し準備を開始。
・2022年1月 当院の弁護士が「当初の約束通り防振工事をすること」を求め大阪地方裁判所に訴状を提出
・2022年3月9日 裁判開始
・2023年1月4日 裁判終結時期の見通しが立たず、振動が悪化したことで針刺し事故のリスクが急増したため「閉院」を決定。
〇階上ボクシングジムの振動・騒音問題、患者さんからよくあるQ&A
Q1:病気で苦しんでいる患者に苦痛と恐怖を与える行為はあまりにも残酷すぎて許すことができません。なぜ工事をしてくれないのですか
A1:これだけのひどい振動ですから、我々としても当初は「話せばわかる」と考えていました。しかし、残念ながらそういう常識が通用する相手ではありませんでした。
常識がある人物なら、このビルに入居する時に挨拶くらいはすると思いますが、まったく何の連絡もありませんでした。勝手に工事を始めて、何の断りもなくキックボクシングを開始し振動と騒音をまき散らしているわけですが、そういうことを何とも思わない連中なのです。
このジムの社長に「治療を受けに来てこれだけの恐怖を与えられる患者さんのことをどう思いますか?」と何度も聞きましたが、ヘラヘラしているだけでまともな返答が返ってきたためしがありません。一度繰り返し尋ねたときには「ユメのためにやめられへんのですわ」と意味不明な回答をされました。「ユメ」って何なのでしょう?
Q2:ビルに言って工事をさせることはできないのですか
A2:ビルは完全に無関心です。振動で壁や天井にヒビが入りましたから、それを言えば何かしてくれると考えたのですが無視されました。また、レントゲン撮影時に振動が起こると正確に撮影できなくなることもあるのでそれを主張したのですが、「レントゲンを撤去せよ」と言われました。話が通じないのです。さらに、その後「レントゲンのスペースを貸した覚えはない。(当院の)不法侵入だ!」と訳の分からないことを言われました(さすがに、この言い分は後に取り下げてきましたが)。
Q3:保健所に言って工事をさせることはできないのですか
A3:実はある患者さんが保健所に通報され、話は聞いてもらえたそうなのですが、「保健所にはジムに対し注意をする権限がないんです」が最終的な回答だったようです。区役所や環境局に通報された人もいるのですが、いずれも取り付く島もなく「管轄外で何もできない」と言われたそうです。
Q4:何か月か前には驚くほど大きな騒音と振動がありましたが、先日はありませんでした。ジムがつぶれるのも時間の問題ではないですか
A4:たしかに最近はまったく音がなくなることがあります。それに振動の質が変わってきており、振動と聞こえてくるファイターの声とが一致することが増えてきました。おそらくごく少人数になっているのだと思います。ですが、ただ1人が動いただけで声と振動が伝わるわけですから、人数が減っても患者さんが受ける被害はそう変わりません。約束どおり工事をおこなってもらうしか方法はないと思います。
Q5:先生や看護師さんは強く言えないでしょうから、私が直接ジムに抗議をしに行っていいですか。
A5:それはやめてください。このジムの社長、見た目でいえば反社会的な風貌ではなく、むしろその逆で、一度会っただけでは顔を覚えられないような地味で目立たない印象なのですが、高齢者や病気で苦しんでいる患者さんにこれだけの苦しみと恐怖を与え続けても何とも思わない人物であることを忘れてはなりません。
Q6:「振動の対策をしてほしい」という署名はもうかなり集まっているのではないですか。その署名でジムが考えを変えることはないのでしょうか。
A6:ありません。署名が集まっていることはジムの社長に伝えていますが、そんなことを気にするようなキャラクターではありません。なにしろ高齢者や病人が振動で苦しみ恐怖を味わっていることを伝えても表情をまったく変えず「それで?」という態度なのです。ただ、お書きいただいた署名は裁判所にはすでに提出しています。
Q7:振動で針刺し事故が起こればどうなるのですか?
A7:法律上、当院の責任になります。また、法律に関係なく、大きな振動が起こり得ることが分っていて医療行為をしているのは当院ですから、当院の責任です。針刺し事故のリスクについては、2021年の早い段階で、振動のせいでできた壁のヒビを見せながら繰り返し訴えましたが、ジム側もビル側も「それが何か・・・・・」という態度です。話は通じません。
〇階上ボクシングジムの振動・騒音からの被害を避けるためにお勧めの方法
・月曜日は階上ボクシングジムが休んでいるようですのでお勧めです。ただし、それを考慮して受診する人が増えてきていますから混雑します。
・最近は午前中の被害は少ないために午前の予約枠での受診もお勧めです。ただし、予約がすぐに埋まるようになってきています。
・検査や点滴があるときはやむを得ないですが、そうでない場合はオンライン診療をご検討ください。
参考:日経メディカル 「緊急事態宣言よりも、苦しんでいる患者よりも大事な“ユメ”って何だ?」
更新:2023年3月24日
誠に残念ではありますが「閉院」以外の選択肢はないと判断するに至りました。裁判は進行中で、当院としては振動の大きさを記録したデータも提出しており、もちろんこれは当院に有利です。しかしながら、当院が勝訴したとしても、実際にボクシングジムが工事を着手するのはかかり先になりそうなことに加え、最近、振動が(頻度は激減しているものの)以前よりも悪質なものが増えています。針刺し事故のリスクが急増していることから(実際に危機一髪で免れるようなケースもありました)、2023年6月30日を最後に閉院することになりました。
裁判は下記のように進められてきました。
事件番号:大阪地方裁判所令和4年(ワ)第540号大地16民3B係
第1回期日:2022年3月9日 終了
第2回期日:2022年4月27日 終了
第3回期日:2022年6月16日 終了
第4回期日:2022年7月20日 終了
第5回期日:2022年9月13日 終了
第6回期日:2022年10月25日 終了
第7回期日:2022年12月8日 終了
第8回期日:2023年2月16日 終了
第9回期日:2023年3月24日 終了
第10回期日:2023年4月24日 予定
参考:日経メディカル「ボクシングジム振動問題、ついに裁判が始まる」
〇これまでの経緯
・2020年12月 ボクシングジムが階上に入居(事前の連絡や挨拶は皆無)
・~2021 年 4 月 「患者さんのために振動を控えてもらいたい」と繰り返し依頼したが変わりなし。ジムの社長と話をして 4月末に防振・防音工事をする約束を得た。
・2021 年 5 月 まったく改善しておらず「本当に工事をしたのなら証拠を見せてほしい」と依頼すると、意味不明の写真が送付されたため、その説明を依頼したが無回答。しかし、「今度はきちんとした工事を6月20日を目途に開始する」との約束を文書で得た。
・2021年7月 「やっぱり工事はやらない」という連絡が来た。話し合いが成立しないため、当院としては裁判を起こす以外に方法はないという結論に達し準備を開始。
・2022年1月 当院の弁護士が「当初の約束通り防振工事をすること」を求め大阪地方裁判所に訴状を提出
・2022年3月9日 裁判開始
・2023年1月4日 裁判終結時期の見通しが立たず、振動が悪化したことで針刺し事故のリスクが急増したため「閉院」を決定。
〇階上ボクシングジムの振動・騒音問題、患者さんからよくあるQ&A
Q1:病気で苦しんでいる患者に苦痛と恐怖を与える行為はあまりにも残酷すぎて許すことができません。なぜ工事をしてくれないのですか
A1:これだけのひどい振動ですから、我々としても当初は「話せばわかる」と考えていました。しかし、残念ながらそういう常識が通用する相手ではありませんでした。
常識がある人物なら、このビルに入居する時に挨拶くらいはすると思いますが、まったく何の連絡もありませんでした。勝手に工事を始めて、何の断りもなくキックボクシングを開始し振動と騒音をまき散らしているわけですが、そういうことを何とも思わない連中なのです。
このジムの社長に「治療を受けに来てこれだけの恐怖を与えられる患者さんのことをどう思いますか?」と何度も聞きましたが、ヘラヘラしているだけでまともな返答が返ってきたためしがありません。一度繰り返し尋ねたときには「ユメのためにやめられへんのですわ」と意味不明な回答をされました。「ユメ」って何なのでしょう?
Q2:ビルに言って工事をさせることはできないのですか
A2:ビルは完全に無関心です。振動で壁や天井にヒビが入りましたから、それを言えば何かしてくれると考えたのですが無視されました。また、レントゲン撮影時に振動が起こると正確に撮影できなくなることもあるのでそれを主張したのですが、「レントゲンを撤去せよ」と言われました。話が通じないのです。さらに、その後「レントゲンのスペースを貸した覚えはない。(当院の)不法侵入だ!」と訳の分からないことを言われました(さすがに、この言い分は後に取り下げてきましたが)。
Q3:保健所に言って工事をさせることはできないのですか
A3:実はある患者さんが保健所に通報され、話は聞いてもらえたそうなのですが、「保健所にはジムに対し注意をする権限がないんです」が最終的な回答だったようです。区役所や環境局に通報された人もいるのですが、いずれも取り付く島もなく「管轄外で何もできない」と言われたそうです。
Q4:何か月か前には驚くほど大きな騒音と振動がありましたが、先日はありませんでした。ジムがつぶれるのも時間の問題ではないですか
A4:たしかに最近はまったく音がなくなることがあります。それに振動の質が変わってきており、振動と聞こえてくるファイターの声とが一致することが増えてきました。おそらくごく少人数になっているのだと思います。ですが、ただ1人が動いただけで声と振動が伝わるわけですから、人数が減っても患者さんが受ける被害はそう変わりません。約束どおり工事をおこなってもらうしか方法はないと思います。
Q5:先生や看護師さんは強く言えないでしょうから、私が直接ジムに抗議をしに行っていいですか。
A5:それはやめてください。このジムの社長、見た目でいえば反社会的な風貌ではなく、むしろその逆で、一度会っただけでは顔を覚えられないような地味で目立たない印象なのですが、高齢者や病気で苦しんでいる患者さんにこれだけの苦しみと恐怖を与え続けても何とも思わない人物であることを忘れてはなりません。
Q6:「振動の対策をしてほしい」という署名はもうかなり集まっているのではないですか。その署名でジムが考えを変えることはないのでしょうか。
A6:ありません。署名が集まっていることはジムの社長に伝えていますが、そんなことを気にするようなキャラクターではありません。なにしろ高齢者や病人が振動で苦しみ恐怖を味わっていることを伝えても表情をまったく変えず「それで?」という態度なのです。ただ、お書きいただいた署名は裁判所にはすでに提出しています。
Q7:振動で針刺し事故が起こればどうなるのですか?
A7:法律上、当院の責任になります。また、法律に関係なく、大きな振動が起こり得ることが分っていて医療行為をしているのは当院ですから、当院の責任です。針刺し事故のリスクについては、2021年の早い段階で、振動のせいでできた壁のヒビを見せながら繰り返し訴えましたが、ジム側もビル側も「それが何か・・・・・」という態度です。話は通じません。
〇階上ボクシングジムの振動・騒音からの被害を避けるためにお勧めの方法
・月曜日は階上ボクシングジムが休んでいるようですのでお勧めです。ただし、それを考慮して受診する人が増えてきていますから混雑します。
・最近は午前中の被害は少ないために午前の予約枠での受診もお勧めです。ただし、予約がすぐに埋まるようになってきています。
・検査や点滴があるときはやむを得ないですが、そうでない場合はオンライン診療をご検討ください。
参考:日経メディカル 「緊急事態宣言よりも、苦しんでいる患者よりも大事な“ユメ”って何だ?」
更新:2023年3月24日