医療ニュース

2009年6月8日(月) 日本脳炎新ワクチン、勧奨中止は継続

 副作用の恐れから従来の日本脳炎ワクチンが使いにくくなっていたなかで、新しいワクチンがようやく承認されたというニュース(下記参照)は以前お伝えしましたが、依然「勧奨中止」が継続されることになりました。

 新ワクチンによる予防接種は6月2日から始まっています。日本脳炎は夏に流行しますからタイミングとしてはちょうどいいといえるでしょう。4年ぶりの再開というかたちとなります。当初は30万人分が製造され、生後6ヶ月から7歳半までの未接種者のなかで希望者を対象とすることになっています。

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 「勧奨中止」の措置が継続されるという点が気になります。厚生労働省はこの理由として「副作用のリスクが皆無ではない」としています。しかし、そもそも従来のワクチンが勧奨中止となったのは副作用が発生したからであり、新しいワクチンも副作用の可能性があり勧奨中止となるならば、いったいどこがどう違うの?と疑問に思ってしまいます。

 ワクチンの副作用は完全にはゼロにできませんが、従来のワクチンと新しいワクチンのリスクがどのように違うのかについては何らかの説明がほしいように思います。

 しかし、ワクチンのリスクが強調されすぎてしまい、日本脳炎ウイルスの危険性が軽視されるようなことがあってはなりません。

(谷口恭)

参考:
はやりの病気 第63回 「日本脳炎を忘れないで!」
医療ニュース 2009年2月27日「日本脳炎の新ワクチンがついに承認」