医療ニュース

2010年12月17日(金) ワクチン公費負担の署名は270万人

 今年(2010年)9月から約1ヶ月間に渡って、日本医師会が中心となり、全国でワクチンの公費負担を求める署名がおこなわれましたが、最終的に2,699,019人の署名が集まり、12月16日、細川厚生労働大臣に退出されました。

 (この署名は、太融寺町谷口医院の受付カウンターでもおこない、数十人の方に協力いただきました。この場でお礼申し上げます)

 署名で公費負担を求めたワクチンは、B型肝炎、インフルエンザ桿菌(Hib)、小児用肺炎球菌、ヒトパピローマウイルス(HPV)、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふく風邪)の6種類です。

 署名および要望書を手渡した日本医師会副会長の羽生田俊氏は「多くの国民が,地域や経済の格差に関係なく希望する子供すべてが公費でワクチン接種を受けられるよう望んでいる」と説明したと報じられています。また、関係者は、短期間でこれだけの署名が集まったのだから期間を延長すれば1,000万人もありうる、と話しているそうです。

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 政府は今年度の補正予算で自治体が実施するHPV、Hib、小児用肺炎球菌のワクチン接種事業に、特例交付金を設けて財政支援策を講じました。ところが、B型肝炎、水痘、ムンプスについては対象からはずされており、日本医師会はこれら3つも含めるように要望しています。

 なぜ、6つのワクチンのうち3つだけが選ばれたかについて、充分な説明があるとは言えず理解しがたいと言えます。

 さらに(私個人の考えですが)、これら6つにロタウイルスとA型肝炎ウイルスとポリオの不活化ワクチンを付け加え、また、インフルエンザや麻疹(はしか)、百日咳などは年齢に関係なく誰でも無料にすべきだと思います。

(谷口恭)

参考:メディカルエッセイ第90回(2010年7月)「理想のワクチン政策とは・・・」