医療ニュース

2010年7月28日(水) 日本人の寿命がさらにさらに長く

 厚生労働省が7月26日に公表した「簡易生命表」によりますと、日本人の平均寿命が昨年に引き続き過去最高を更新しました。(報道は7月27日の共同通信など)

 同省によりますと、日本人の平均寿命は女性が86.44歳で、これは4年連続で過去最高を更新し、25年連続で世界一ということになります。一方、男性は79.59歳で、こちらも4年連続で過去最高を更新しています。しかし、共同通信が伝えている世界ランキングでは、昨年の4位(一昨年は3位)から5位に後退しています。

 共同通信の報道から他の長寿国をみてみると、女性の2位は香港の86.1歳、3位はフランスの84.5歳となっています。男性は1位がカタールで81.0歳、2位は香港の79.8歳で、3位はアイスランド(昨年1位)とスイス(昨年2位)の79.7歳となっています。

 寿命がさらに延長したことに対して同省は、「主に心疾患や肺炎で死亡する割合が下がっていることが平均寿命の延びにつながっている」と分析しているようです。

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 男性の1位がカタールというのは本当なのでしょうか。7月27日の共同通信はそのように報道していますが、国連統計部(United Nations Statistics
Division)のサイト(http://unstats.un.org/unsd/demographic/products/socind/health.htm)ではカタール人男性の平均寿命が76歳(2010年6月)と、共同通信の報道とは5歳も異なっています・・・。

 カタールがどうであれ、日本人の平均寿命が伸びているのは事実です。男女差は6.85歳で、これは昨年より0.09歳広がったことになります。同省は「心疾患や肺炎で死亡する割合が下がっている」ことを平均寿命の延びの原因として説明していますが、これが正しいとすれば、今後喫煙者が減少することによりさらに寿命が延びる可能性があります。日本では圧倒的に喫煙者は男性に多いですから、もしも日本人の大半が一斉に禁煙に取り組めば男女差は縮小するのではないでしょうか・・・。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2009年7月18日 「日本人の寿命がさらに長く」