医療ニュース

2010年8月3日(火) ヘルパンギーナが増加中

 ヘルパンギーナという病気をご存知でしょうか。子育ての経験がある方ならきっと一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 ヘルパンギーナはいわゆる「夏風邪」のひとつです。高熱と咽頭痛(かなり痛がります)の他に、口の中に赤いブツブツがでたり、それがただれた状態(潰瘍)になったりすることもあります。

 今年はそのヘルパンギーナが全国的に増加しているようです。

 国立感染症研究所感染症情報センターによりますと、全国の小児科定点医療機関当たりの患者報告数が、7月12~18日の週は6.51で、前週より0.69ポイント増え、これにより10週連続で増加したことになります。(過去5年間の同時期の平均は3.75だそうです)

 都道府県別では富山(12.43)が最も多く、宮城(12.02)、神奈川(11.58)、山形(11.48)、埼玉(10.91)と続いています。

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 ヘルパンギーナは、ほとんどは一般的な対処療法(水分補給と必要に応じて解熱剤)だけで充分ですが、重症化すれば無菌性髄膜炎を起こすこともありますから注意が必要です。

 今年は手足口病も流行していますし、インフルエンザも再び不気味な動きを見せていますし、O157を含む感染性胃腸炎も続いていますし、春先にはA型肝炎も流行りましたし、海外に目を向けるとアジア諸国や中南米ではデング熱が異常に増加していますし・・・、と、感染症には要注意の年となりそうです。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2010年5月10日 「A型肝炎と手足口病が流行中」