医療ニュース

2011年8月30日(火) テレビの見過ぎで寿命が短く

 1日6時間以上テレビを見ると寿命が5年短くなる・・・

 オーストラリアでおこなわれたこのような研究が医学誌『British Journal of Sports Medicine』2011年8月15日号(オンライン版)に掲載され話題をよんでいます(注)。以前にもオーストラリアで同じ様な研究がありましたが(下記医療ニュース参照)、同国ではよほどテレビに依存する人が多いのでしょうか。

 今回の研究では「オーストラリア糖尿病・肥満・生活習慣研究」と命名された研究に参加した25歳以上の男女約11,000人のデータが用いられ、調査内容には1週間のテレビ視聴時間が含まれています。

 調査結果を要約すると、1日に6時間以上テレビを見る人が全体の1%で、この人たちは、まったくテレビを見ない人に比べると4.8年も寿命が短縮される、となっています。また、テレビを見る時間が1時間増えるごとに寿命は21.8分ずつ短くなるとも試算されています。

 なぜテレビの見すぎが寿命と関係しているかについて、研究者らは、テレビの前から動かないことで、間食が増え運動不足となり生活習慣病のリスク上昇になっている可能性を指摘しています。

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 イギリスでおこなわれた別の研究では、テレビの見すぎは心臓病のリスクとなり、しかも運動をしてもリスクは軽減されないとの結果がでていました。(下記医療ニュース参照)

 私の知る限り日本人を対象とした同様の研究はないのですが、日本人にも同じことが言えるのでしょうか。また、日本を含む世界中でインターネット中毒者が増えていますが、やはり寿命が短くなるのでしょうか。今後の研究を待ちたいと思います。

(谷口恭)

注:この論文のタイトルは、「Television viewing time and reduced life expectancy: a life table
analysis」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://bjsm.bmj.com/content/early/2011/08/01/bjsm.2011.085662.abstract?sid=2ed8ab07-
c785-4eff-8d37-2d17cc766ec4


参考:医療ニュース
2010年1月25日「テレビの見すぎが寿命を縮める?」
2011年1月14日「2時間以上のテレビやパソコンは心臓病のリスク」