医療ニュース

2012年2月3日(金) 年収低いほど喫煙率が高値

 日本人の喫煙率が年々下がっているのは間違いなく、JT(日本たばこ産業)や国立がんセンターの調査でもそのような傾向がでています。JTが2011年10月13日に発表したデータでは日本人の喫煙率は21.7%でしたが、2012年1月31日に厚生労働省が発表した2010年の喫煙率は19.5%と、このような調査では初めて2割を切りました。
 
 この結果を受けて、同省は、「平成22年度までに喫煙率を12.2%以下にする」との目標値を明記する方針を固めました。12.2%とは随分中途半端な数字に感じられますが、喫煙者で「たばこをやめたいと思う」と答えた人(男性35.9%、女性43.6%)が全員禁煙に成功したと仮定して算出した数字だそうです。
 
 尚、同省がおこなった調査は「国民健康・栄養調査」と呼ばれるもので、健康増進法に基づいて毎年おこなわれているものです。2010年は全国から無作為抽出した3,684世帯が対象とされています。調査項目は、身長、体重、血圧、腹囲などの身体的データに加え、食事の摂取状況や飲酒、喫煙、睡眠、運動なども含まれています。
 
 また、この調査では年収も加味されて検討されています。年収と喫煙の関係の結論は、「年収が低いほど喫煙者が多い」となります。年収を3つのグループ(200万円未満、200万円~600万円未満、600万円以上)に分けて喫煙率を算出すると、年収の低い順から、男性は37.3%、33.6%、27.0%、女性は11.7%、8.8%、6.4%となっています。
 
 また、喫煙率(男性)を都道府県別でみてみると、トップが青森(44.8%)で、以下、和歌山(44.7%)、鳥取(43.7%)、北海道(42.6%)、山梨(42.5%)と続きます。逆に最も低いのは三重(28.6%)で、静岡(29.5%)、香川(30.1%)、沖縄(30.8%)、群馬(31.7%)と続きます(注)。なぜかこの都道府県別データでは女性のものが公表されていません。
 
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 最近は、所得と健康の関係がよく議論されるようになってきていますが、今回の厚労省の調査でも所得と喫煙率の関係が示されていることは注目に値します。また、今回の調査では肥満や運動、朝食を抜く割合などと年収との関係も調べられています。(これらは近いうちにこの「医療ニュース」で報告します)
 
 収入が低いほど不健康で寿命も短い・・・。こんなことは避けなければならないわけですが、すでに現実になっているのかもしれません。ということは、我々医療者がいくら熱心に生活指導をおこなったとしても、患者さんたちの収入を上げなければ効果がないのかもしれません。
 
(谷口恭)

注:このデータは厚生労働省のウェブサイトで詳細が掲載されています。下記URLを参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c39.pdf

参考:医療ニュース
2011年10月15日「喫煙者率が男女とも過去最低に」
2011年8月29日「タバコの危険性は男性より女性」

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