医療ニュース

2007年5月7日(月) タイでもデング熱がアウトブレイク

 2月にはインドネシアでデング熱が大流行しているというニュースをお伝えしましたが、現在タイでもアウトブレイクしており、保健省が予防を徹底するよう警告を発しています。(報道は5月3日のBangkok Post)

 タイでは今年に入ってからすでに6,070人がデング熱に罹患しており、4人が死亡しています。県別でみると、最も多いのがトラット県(タイ南東部に位置しておりカンボジアとの国境の県)で人口10万人あたり46人です。パッタニー県の42人、ヤラー県33人と続きます(これらはタイ最南部のマレーシアとの国境の県です)

 今年は例年に比べて雨が多いのがデング熱大流行の原因です。タイ全土でみれば人口10万人あたり約10人が罹患しています。デング熱に罹患した6,070人のうち、およそ1,000人はここ2週間以内の感染です。

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 ゴールデンウィーク中にタイに行かれた方もおられると思います。帰国後、発熱や原因不明の皮疹が出現した人は早めにクリニックを受診するようにしましょう。

 すてらめいとクリニックにも、「東南アジアから帰国して熱が出た」、と言って受診される方がときどきおられますが、デング熱は必ず疑わなければならない疾患です。(患者さんのなかには急性HIV感染症やC型肝炎ウイルスを考えている人がいますが、デング熱の方がはるかに感染しやすいのです)

 尚、デング熱の潜伏期間は数日から2週間くらいです。

参考
「アジア渡航者はデング熱にご用心」2007年2月11日
「インドネシアでデング熱がアウトブレイク!」2007年2月17日