医療ニュース

2007年6月11日(月) 日本の自殺者、9年連続で3万人超え

 6月7日に発表された警察庁のデータによりますと、2006年の国内の自殺者は32,155人で、9年連続で3万人を超えたことがわかりました。

 2005年に比べると397人(1.2%)減少しましたが、依然として異常な高さであると言えます。

 年齢別では以下のようになっています。

 60歳以上 11,120人(前年比2.1%増加)
 50代    7,246人(前年比4.5%減少)
 40代    5,008人(前年比3.8%減少)
 30代    4,497人(前年比2.4%減少)
 20代    3,395人(前年比0.4%減少)
 19歳以下    623人(前年比2.5%増加)
 (小学生14人、中学生81人、高校生220人)

 高齢者と19歳以下の若者の間で自殺が増加している傾向にあります。

 19歳以下で遺書を残した177人の自殺動機は、「健康問題」が46人で最多で、「学校問題」44人、「家庭問題」23人と続きます。

 一方、60歳以上の遺書を残した3,485人の自殺動機は、「健康問題」2,073人、「経済・生活問題」670人、「家庭問題」354人となっています。

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 マスコミが自殺を取り上げるとき、よく「リストラ」や「いじめ」が問題にされますが、実際は「健康問題」が最多であることはもっと注目されるべきだと思います。

 人口あたりの自殺者は先進国のなかでは日本が世界一位です。この責任はわれわれ医療従事者にもあるでしょう。

 「自殺」を考える前に、医療機関を受診してもらえれば・・・と切に願います。

参考:
メディカルエッセィ第27回 「なぜ日本人の自殺率は高いのか」