医療ニュース

2月23日 乳児期に動物に接するとアレルギーを起こしにくい?!

 意外な結果と言えるかもしれません。

 太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)の患者さんのなかにも少なくない犬アレルギーや猫アレルギー。谷口医院ではほとんどの患者さんが犬や猫が好きな人たちです。なかにはペットショップで働く人や、トリマーの人もいます。仕事を替えるわけにもいきませんし、そもそも犬や猫が好きな人たちですからプライベートでも一緒に過ごしていることが多いのです。

 なぜ犬や猫が好きな人たちがそれらのアレルギーを起こすのか。それは犬や猫に触れる時間が長いからです。このメカニズムは花粉症と同じように考えればわかりやすいと思います。つまり、同じ抗原に何年もさらされていると、あるときを境にそれまでは何ともなかったものがその人にとって"敵"となるのです。以降は一種の「拒絶反応」が起こる。これがアレルギーのメカニズムです。

 ということは、花粉症を防ぐには発症していない時点から花粉に触れないようにするのが最適であり、同様に動物アレルギーを防ぐには動物に触れる時間を短くするのがいい、ということになります。

 ところが、です。医学誌『PLOS ONE』2018年12月19日号に掲載された論文「早い段階でペットと触れていれば動物アレルギーのリスクが低下する(Pet-keeping in early life reduces the risk of allergy in a dose-dependent fashion)」によれば、このタイトル通り、小さい頃にペットに触れているとアレルギーのリスクが下がるというのです。

 この研究はスウェーデンのものです。対象は7~8歳の小児(1,029例)と8~9歳の小児(249例)です。結果は、生まれてから1年以内に(つまり乳児期に)家庭内に猫や犬を飼っていれば、喘息や鼻炎、湿疹といったアレルギー症状が少なくなるというのです。しかも、ペットの数が多いほどその傾向は顕著になり、ペットのいない子供の49%がアレルギーがあるのに対し、5匹以上のペットを飼っている家の子供ではアレルギー発症はなんと0(ゼロ)だというのです。

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 この論文によると「幼少期のペットとの接触がアレルギーのリスクを低下させる」とする研究は他にもあるそうです。ですが、そのメカニズムははっきりしません。食物アレルギーについては、以前は避けるべきだと考えられていたのが、現在はむしろ積極的に摂取すべきだ(注意点はいくつかありますが)と変わってきています(参考:「はやりの病気」第167回(2017年7月)「卵アレルギーを防ぐためのコペルニクス的転回」)。

 動物アレルギーも同じメカニズムかもしれません。食物を乳児期に食べさせるときの最大の注意点はアトピー性皮膚炎などの湿疹をきっちりと治しておくということでした。ということは、乳幼児期にペットを飼うときにも湿疹の治療と予防はきっちりとおこなっておくべきでしょう。