医療ニュース

2010年8月23日(月) 飲酒が関節リウマチに有効?

 飲酒をすることによって、関節リウマチに罹患するリスクが低減するだけでなく、すでに発症している人の症状緩和にも有効である・・・

 このように意外な研究結果が発表され話題を呼んでいます。この研究は英国Rotherham 病院のJames Maxwell氏らによって実施され、医学誌『Rheumatology』2010年7月28日号に掲載されています。

 この研究は、健康な被験者1,004人と関節リウマチ患者873人を対象として、①全く飲酒しない群、②月に1~5日飲酒する群、③月に6~10日飲酒する群、④それ以上の頻度で飲酒する群、の4群に分けて比較しています。

 研究によりますと、アルコールの摂取頻度が高いほど関節リウマチの程度が軽い、という結果となっています。最も飲酒の頻度が低い群(②)でも、全く飲まない群(①)に比べると明確な差(少しでも飲めば症状が軽い)が認められたそうです。全く飲酒しない群(①)は、関節リウマチのリスクが最も頻繁に飲酒する群(④)の4倍にもなったそうです。この関連は男女ともに認められ、男性の方により強い傾向があったそうです。

 この理由について、Maxwell氏は、「アルコールは関節に炎症をきたす免疫反応を低下させ、さらにある程度の鎮痛作用もあると考えられる」、と述べています。

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 この研究結果を単純に受け取ると、「では、リウマチ予防にお酒を飲もう、リウマチにかかってしまっても症状を和らげるためにお酒を飲もう」、ということになるかもしれませんが、それほど単純なものではありません。

 実際、この論文の執筆者のJames Maxwell氏は、「リウマチの治療目的での飲酒はすすめられない」、と述べています。

 この研究では、飲酒の頻度のみが調べられており、飲酒量について触れられていないことも気になります。いったい、どの程度のアルコール量がリウマチのリスクを低減させる可能性があるのかがまるで分かりません。

 リウマチとアルコールの関係を分析した研究は(私の知る限り)他に見当たりませんし、今回の研究もまだまだ初期段階と考えるべきだと思います。現時点では、「お酒はほどほどに・・・」と考えるべきでしょう。

注:この論文のタイトルは、「Alcohol consumption is inversely associated with risk and severity of rheumatoid arthritis」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://rheumatology.oxfordjournals.org/cgi/content/full/keq202v1?maxtoshow=&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=James+Mexwell&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

(谷口恭)

参考:医療ニュース
2010年5月21日 「飲酒によりリンパ系腫瘍のリスクが低減」
2010年5月24日 「妊娠中の飲酒、子供の白血病のリスク上昇」

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