医療ニュース

2007年9月3日(月) コーヒーは肝臓癌のリスクを下げる

 以前から、コーヒーの有用性については様々な議論がありますが、最近、「Hepatology」という肝臓関連の医学誌の2007年8月号で発表された研究を報告いたします。(報道は8月14日のMedscape Medical News)

 Mario Negri社薬学研究所(イタリア、ミラノ)のFrancesca Bravi, ScDが率いる研究チームが、肝臓癌(肝細胞癌)に関してこれまで報告された研究(南ヨーロッパと日本の対照研究が6件と、日本の研究が4件)を評価・検討しました。その結果、コーヒーをたくさん飲む人は飲まない人に比べて肝臓癌になりにくいという結論が得られました。

 同研究所は、「コーヒーが大量に消費される南ヨーロッパとコーヒーを飲む回数が比較的少ない日本の研究から、慢性肝疾患の被験者にはコーヒー飲用が好ましいことを裏付ける明らかな効果が見られた」、とコメントしています。

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 この研究だけと見ると、「日本人も南ヨーロッパ人のようにコーヒーを積極的に飲んで肝臓癌を防ぎましょう!」ということになります。

 たしかに、コーヒーの有用性については様々なところで報告されていますから試してみてもいいかもしれません。ただ、一方で、コーヒーの否定的な研究もありますから摂りすぎには注意した方がいいかもしれません。

参考:
はやりの病気第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」  
はやりの病気第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!?」