医療ニュース

2009年6月5日(金) 結局よく分からないタミフルの異常行動

 タミフル服用で異常行動が起こるのか起こらないのか・・・

 このサイトで過去何度も取り上げてきましたが依然釈然としません。6月4日の日経新聞によりますと、厚生労働省の作業部会は、3日、「服薬しなくても異常行動は発生しており、明確な関係は認められない」との報告をまとめたとのことです。

 しかし、その一方で、「タミフルが異常行動の危険を高める可能性を完全には否定できない」としており、タミフルの10代患者への処方制限は継続すべきだとの結論もだしています。

 同省の研究班が、2006年から2007年に全国約7000の医療機関でインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人を分析したところ、服用と異常行動に統計上意味のある関連はなかったとのことです。また、2008年から2009年の流行期に生死にかかわる重大な異常行動が179件報告されていますが、服用した患者と服用していない患者はいずれも約4割でこちらも差はありません。

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 新型インフルエンザの発生後、厚生労働省は「新型の危険性を考慮した上で10代でも使用できる」との見解を示しています。

 我々医師の立場からすると、もっと明確な処方の基準を提示してもらいたいと思います。太融寺町谷口医院では、当分の間、インフルエンザに対してはタミフルではなくリレンザを中心に処方する予定です。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
2009年4月22日「タミフルの異常行動は「否定できず」
2008年8月4日「波紋を呼んでいるタミフル調査結果」
2008年7月14日「タミフルは異常行動に関係なし」