医療ニュース

2010年6月7日(月) 2009年の合計特殊出生率は横ばい

 厚生労働省が6月2日に人口動態計月報の年計(概数)を発表しました。

 2006年から2008年までの3年間、日本では合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子供の数)が上昇していましたが、2009年は2008年に比べて「横ばい」となりました。

 少し詳しくみてみると、2004年1.29、2005年1.26、2006年1.32、2007年1.34、2008年1.37と3年連続で増加していましたが、 2009年は前年と同じ1.37です。

 出生数でみてみると、2009年は、1,070,025人で、前年(2008年)から21,131人減少したことになります。出生数を母親の年代別にみると、30~34歳が389,788人で最も多く、25~29歳が307,764人、 35~39歳が209,703人、20~24歳が116,807人と続いています。15~34歳ではいずれの年代も前年より減少していますが、35~49歳では増加しています。

 尚、統計からみると女性の平均初婚年齢は28.6歳(男性は30.4歳)、第1子出生時の母親の平均年齢は29.7歳となっています。

 死亡数は1,141,920人で、前年(2008年)より487人減少しています。出生数と死亡数の差を表す自然増減数はマイナス71,895人で、前年より20,644人減り、前年に引き続き過去最大の減少ということになります。

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 合計特殊出生率を都道府県でみると、沖縄(1.79)、宮崎(1.61)、熊本(1.58)など九州・沖縄地方で高く、東京(1.12)、北海道(1.19)、京都(1.20)など大都市圏で低くなっています。

 ということは、九州・沖縄では子供を育てやすい環境が整備されていて、逆に大都市圏では育てにくくなっているということなのでしょうか。数字だけでみる限り、大都市圏の若い世代が子供を産みにくくなっているといえそうです。

 しかし、九州・沖縄では数字が高いといっても、合計特殊出生率は2.08以上にならなければ人口は減少していきます。人口減少に歯止めがかからないのは自明です・・・。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
2009年6月1日 「日本の出生率は3年連続上昇」
2008年6月6日 「出生率が2年連続上昇」
2007年2月24日 「出生率が大幅回復へ!」