医療ニュース

2014年6月30日 コーヒーで基底細胞癌のリスクが43%も減少

  コーヒーは大変身体にいいもので、生活習慣病や多くのガンのリスクを減少させてくれる、という話はこのサイトで何度もしています。

 何度もそういうことを述べているからなのか、一部の患者さんから「あたし、コーヒー飲めないんですけど、やっぱりマズイですかね~」などと質問されることがときどきあります。コーヒーが健康にいいことを言い過ぎると、飲めない人は傷ついてしまう・・・、ということがあるのかもしれません。しかし、コーヒーがすべてというわけではもちろんなく、他に健康を維持する方法、というよりコーヒーなどより重要なことはたくさんあるわけで、コーヒーが飲めない人はこのような話は軽く聞き流してください。

 さて、今回お伝えしたいのは、皮膚ガンの1種である「基底細胞癌」のリスクがコーヒーを飲むことで43%も減少する、という研究です。医学誌『European Journal Cancer Prevention』2014年5月16日号(オンライン版)に紹介されています(注1)。

 この研究の対象となったのは、米国コネチカット州在住の40歳未満の非ヒスパニック系白人767人です。この研究は前向き研究(これから何人が発症するかをみる研究)ではなく、後ろ向き研究です。つまり、767人のうち、基底細胞癌をすでに発症している377人と、その対照(コントロール)として良性の皮膚疾患を発症している390人を、聞き取りによりコーヒーなどをどれくらい飲んでいたかを調べているのです。

 その結果、最もカフェインをたくさん摂取していたグループでは、まったく摂取していなかったグループに比べて、基底細胞癌発症のリスクが43%も低かったそうです。

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 この研究はコーヒーだけでなく紅茶(論文ではteaとなっていますが、英語でteaと言えば日本茶や緑茶でなく紅茶のことをいいます)も合わせて検討されています。つまり、コーヒーでも紅茶でもいいからカフェインを多く摂っている人は基底細胞癌のリスクが減少していた、というのが結論です。ですから、今回の研究に関していえば、コーヒーが飲めない人は紅茶を飲めばそれでいい、ということになります。

 ところで基底細胞癌というのは、長年の紫外線暴露が最大のリスク要因であり、日本では、例えば農作業に従事していた高齢者などに多いという特徴があります。私がこの論文を読んでまず感じたのは、白人では基底細胞癌を発症する40歳未満がそんなにも多いのか、ということです。私はこれまで40歳未満どころか、50代の基底細胞癌も診たことがありません。

 そういう意味ではこの研究は日本人には縁のない話かもしれません。日本人が基底細胞癌のリスクを減らすのに重要なことは、カフェインをたくさん摂る、ではなくて、若い頃から紫外線対策をしっかりおこなう、ということです。

(谷口恭)


注1:この論文のタイトルは「Tea, coffee, and caffeine and early-onset basal cell carcinoma in a case?control study」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://journals.lww.com/eurjcancerprev/Abstract/2014/07000/Tea,_coffee,_and_caffeine_and_early_onset_basal.11.aspx


参考:
医療ニュース2013年4月18日「コーヒーでも緑茶でも脳卒中のリスク低減」
医療ニュース2013年1月8日「コーヒーで口腔ガン・咽頭ガンの死亡リスク低下」
医療ニュース2012年12月3日 「コーヒーも紅茶も生活習慣病に有効」
医療ニュース2012年10月1日 「コーヒーは消化管疾患と無関係」
医療ニュース2010年5月24日 「紅茶で大腸ガンのリスクが上昇?」
はやりの病気第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
はやりの病気第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!」

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2018/05/16

2018年4月17日より本ページで予告していましたように、2018年5月16日より麻疹風疹混合ワクチンの接種は、当院をかかりつけ医にしている方(及び当院に一度でも受診したことのある方)に限定させていただきます。