男性更年期障害/LOH症候群・ED(勃起不全)


◆男性更年期障害/LOH症候群◆

最近、問い合わせ・相談が急増しているのが男性更年期障害です。ここではよくある質問とその回答を紹介します。



Q1:テストステロンの注射をすれば改善しますか
Q2:テストステロン補充療法をすると、自然のテストステロンがつくられにくくなるのですか?
Q3:テストステロンの塗り薬(外用薬)は安全でしょうか
Q4:テストステロンは定期的に測定すべきでしょうか。保険は使えますか
Q5:テストステロン補充療法をせずに、テストステロン値を上げることはできますか。
Q6:男性更年期障害を疑ったとき、テストステロン以外に調べる項目はありますか
Q7:トランス男性に対するテストステロン治療はできますか




Q1:テストステロンの注射をすれば改善しますか

A1:します。元のテストステロンの数値に関係なく、男性であれば「テストステロンの注射をすれば元気になる」と言えます。ただし、必ずといっていいほどリバウンドがきます。さらにQ2の理由もあるために、当院では(一部の例外を除き)テストステロンの注射を勧めていません。




Q2:テストステロン補充療法をすると、自然のテストステロンがつくられにくくなるのですか?

A2:そう考えられています。特に「生殖能力の低下」は大きなリスクと言えるでしょう。現在、体内でつくられる自然のテストステロン(内因性テストステロン)の産生能を損なわない薬物治療が研究されていますが実用化にはいたっていません。

参考:Exogenous testosterone replacement therapy versus raising endogenous testosterone levels: current and future prospects




Q3:テストステロンの塗り薬(外用薬)は安全でしょうか

A3:1%の製剤なら比較的安全です。当院でも推薦することはあります。ただし、定期的なテストステロン濃度の測定はすべきであり、他の検査も場合によっては必要となります。副作用にじゅうぶんに注意しながら使用することが大切になります。

一部の薬局で販売されていて、処方箋なしで薬局で購入することができます。谷口医院の階下のひまわり薬局でも「取り寄せ」の対応で販売されています。




Q4:テストステロンは定期的に測定すべきでしょうか。保険は使えますか

A4:上記外用薬を使う場合は測定すべきです。また、男性更年期障害が疑われる場合は一度検査を受けるのがいいでしょう。血中テストステロン値と遊離テストステロンの双方を計測することが推薦されます。残念ながら保険適用はなく自費となります(当院の場合税込6,600円)。基準値は一応は遊離テストステロンが8.5pg/mL以下ならLOH症候群を疑うことになっていますが、一度の採血で決まるわけではありません。




Q5:テストステロン補充療法をせずに、テストステロン値を上げることはできますか。

A5:できます。そしてこれが当院が実施している更年期障害の治療です。「治療」といっても実践するのは患者さん自身であり、当院ではその助言をおこなっています。しかし、実際に改善するケースが多く、外用薬を使う場合でもこの「治療」はすべきです。基本的には「規則正しい生活」と「運動」が中心となります。

米国には「Tパーティ」と呼ばれる、薬を使わずにテストステロン値を上昇させたい男性が集まる会員制のクラブがあります。




Q6:男性更年期障害を疑ったとき、テストステロン以外に調べる項目はありますか

A6:ケースごとに異なります。健診を受けていない人は肝臓や腎臓の機能、中性脂肪の値などを調べるべきでしょう。ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなどの値も状況によって計測することもあります。




Q7:トランス男性に対するテストステロン治療はできますか

A7:できます。トランス男性の場合は注射を用いることもあります。ただし、副作用にはじゅうぶんな注意が必要です。

EDの治療


治療の前に原因を探索することが重要です。

ストレス

●EDの原因                              

①心因性・精神病性などの機能性
例えば、特定のパートナーのときのみEDになるような場合はこれに相当します。
若年者に多いという特徴があります。
バイアグラ、レビトラ、シアリスのいずれも効果が期待できます。


②血管性・神経性・内分泌性・陰茎性などの器質性
器質性かどうかを調べるために、問診、尿検査、血液検査などをおこなうことがあります。
検査で異常が出た場合、そちらの治療を優先しておこなうこともあります。
この場合でも、バイアグラ、レビトラ、シアリスのいずれも効果が期待できます。


③薬剤性
現在飲んでいる薬が原因でEDが起こっていることがあります。
薬剤性の場合は、その薬を中止、あるいは他の薬剤に変更できないかを検討いたします。


<当院での処方薬>

★ホスホジエステラーゼ阻害薬(初診時の処方量の上限は6錠まで)


(1)バイアグラ (現在当院では後発品「シルデナフィル」のみを処方しています)

日本市場に最初に登場したのがバイアグラです。
レビトラやシアリスが追随しても、キレのよさが最高で、現在も使い続けているというユーザーも少なくありません。
食前に飲まなければならない、という制約がありますが、使用に慣れるとそれほど苦になりません。

海外では100mgが標準となっていますが、これは欧米人の体形に照準を合わせているためです。海外で購入したり、個人輸入をしたりして、100mgの錠剤を使用している人もいますが、これは大変キケンです。さらに、個人輸入にはまがい物をつかまされるというリスクもあります。

・シルデナフィル錠50mg(OD錠) 800円(税込) / 1錠(+処方代(650円))
 初回処方時専用ケース無料、手で簡単に半分に割れるタイプです。


(2)レビトラ(現在当院では後発品「バルデナフィル」のみを処方しています)

バイアグラが食前に飲まなければならないのに対し、レビトラは食後(ただし1000キロカロリー程度まで)でも効果があるという特徴があります。ただし、レビトラも食前に服用した方が効果があると言われています。

・バルデナフィル10mg   1,300円(税込)/ 1錠
バルデナフィル20mg   1,500円(税込)/ 1錠
(+処方代(650円))


(3)シアリス(現在当院では後発品「タダラフィル」のみを処方しています)

他の治療薬と比べて、効果がより持続するのがシアリスの特徴です。
効能時間の長さだけではなく、性交時の効果も最も優れているという声も多く聞かれ、以前から日本での販売が期待されていました。

・タダラフィル10mg  1,450円(税込)/ 1錠
・タダラフィル20mg  1,650円(税込)/ 1錠
(+処方代(650円))



2024年3月1日更新