薄毛(AGA)・抜け毛を治そう

薄毛・抜け毛で悩んでいる人は少なくありませんが、その原因は様々です。男性の場合、最も多いのがAGAと呼ばれる、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪のどちらか一方(あるいは両方)から薄くなり進行するタイプの薄毛ですが、他にも甲状腺の障害や感染症などが原因になることもあり、まずは原因を明らかにしていくことが必要です。

女性の場合も、ホルモンの異常、甲状腺の機能障害、薬剤によるもの、ストレスによるものと、やはり原因は様々です。しかし女性の場合は、女性ホルモンやスピロノラクトンで大きく改善することもあります。円形脱毛症の場合は、JAK阻害薬と呼ばれる免疫抑制剤や生物学的製剤を用いることもあります。

参考:はやりの病気 第241回(2023年9月) 「円形脱毛が”治癒”する時代に」


太融寺町谷口医院では、まずは薄毛・抜け毛の原因を明らかにしていきます。視診と問診に加え、必要な検査をおこないます。そして、診断をつけ、患者さんごとに適切と思われる治療について説明いたします。

参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版


<処方例>
「デュタステリドカプセル」(後発品)(1箱30カプセル)   5,000円(税込)(保険適用外)
「フィナステリド錠」(プロペシア後発品)(1箱28錠) 5,000円(税込)(保険適用外)



注1:保険適用外の薬を処方する場合、処方料として別途650円(税込)がかかります。
(例) 「デュタステリドカプセル」1箱+650円=5,650円(税込)
   
「デュタステリドカプセル」6箱+650円=30,650円(税込)

注2:インターネット等を使った個人輸入でのプロペシア(またはプロペシアの後発品)は、偽物をつかまされるリスクに加え危険性もあります。また成分にバラつきがあるとの報告もあり決して推薦できるものではありません。詳しくは厚生労働省の下記のサイトを参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html



AGA(男性型脱毛症)のQ&A


Q1 実際のところ効果のある薬はあるのですか

Q2 お金がいくらかかるか不安です・・・
Q3 プロペシア(フィナステリド)の副作用は
Q4 プロペシア(フィナステリド)はいつまで飲み続ければいいのですか
Q5 リアップ(ミノキシジル)の内服があるって聞いたんですが・・・
Q6 デュタステリドがフィナステリドよりもいいって聞いたんですが・・・




Q1  実際のところ効果のある薬はあるのですか 

A1 医学的な確証があり、ガイドラインで最も推薦されているのは、プロペシアとミノキシジル外用(リアップx5)です。特にプロペシアは内服半年後の患者満足度が9割と高い効果が期待できます。

ミノキシジル外用は処方薬ではなく薬局で購入する薬品です。参考までに、当院階下の「ひまわり薬局」の
価格は次のとおりです。

<男性用>
リアップx5(5%)プラスネオ60mL:7,500円
リアップ(1%) 60mL:5,000円
リアップ(1%) 120mL:8,500円
リアップ(5%)の後発品:4,000円~4,500円

<女性用>
リアップリジェンヌ:5,000円


Q2 お金がいくらかかるか不安です・・・

A2 相談だけなら診察代だけですから、まずは気軽に受診されることをすすめます。診察の結果、脱毛がAGAでない場合もありますからまずは診断をつけることが重要です。この場合保険適用になり3割負担で890円~1,040円です。デュタステリドの処方は自費診療になりますから医療機関によって異なります。当院の場合1箱(30日分)で5,000円(税込み)です。


Q3  デュタステリドの副作用は

A3   稀ですが肝機能障害を起こす人がいるので飲み始めて1ヶ月くらいした時点で血液検査が必要になります。それ以降の血液検査は特に必要ありません。一番多い副作用はリビドーの低下(性欲減退)で、太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)の患者さんで言えば5%程度に起こっています。ただし程度は軽度で、性に興味がなくなるよう人はこれまではいません。添付文書上はED(勃起力減退)も記されていますが、実際には谷口医院の患者さんではほとんど起こっていません。

添付文書には、「勃起機能不全」と「射精障害」について、「投与中止後も持続したとの報告がある」と記載されています。



Q4 プロペシア(フィナステリド)はいつまで飲み続ければいいのですか

A4 これは難しい問題です。プロペシアは飲んでいる間は発毛効果が期待できますが、中止すると再び脱毛が進行します。では一生飲み続けなければならないのか、という疑問がでてくると思います。谷口医院の患者さんは、「50代のうちは飲むつもり」とか「退職するまでは飲むつもり」と話される人が多いです。


Q5 リアップ(ミノキシジル)の内服があるって聞いたんですが・・・

A5 日本皮膚科学会のガイドラインでは「D」(おこなってはいけない)にランクされています。最近は(男女ともに)安全性が高いとする意見もありますが、副作用で苦しむ人が少なくないのも事実です。詳しくは、はやりの病気第212回内服ミノキシジルが男女のAGA及び円形脱毛症の救世主となる可能性を参照ください。


Q6 デュタステリドがフィナステリドよりもいいって聞いたんですが・・・

A6 デュタステリドは、フィナステリドと似たような薬であり、最近フィナステリドから変更する人が増えてきています。(フィナステリドは5αリダクターゼのⅡ型にのみ作用しますが、デュタステリドはⅠ型にもⅡ型にも作用します) 規模はそれほど大きくありませんが、デュタステリドとフィナステリドの比較対象研究でもデュタステリドの方が効果があったという結果がでていますし、フィナステリドが無効だった症例の8割でデュタステリドが効いたという報告もあります(下記「医療ニュース」参照)。

参考
医療ニュース2014年3月17日「AGAにはプロペシアよりアボルブが有効?」
医療ニュース2016年7月11日「ザガーロはプロペシアに取って代わるか」
医療ニュース2020年11月24日「フィナステリド(プロペシア)で自殺したくなる」

参考:
はやりの病気第103回(2012年3月)「壮年型脱毛症(AGA)はどこまで改善するか」
はやりの病気第102回(2012年2月)「抜け毛・薄毛を再考する」
はやりの病気第41回(2007年1月)「薄毛・抜け毛は治せるか(前編)」
はやりの病気第42回(2007年2月)「薄毛・抜け毛は治せるか(後編)」
医療ニュース2013年5月13日「男性型脱毛症(AGA)は心筋梗塞のリスク」
医療ニュース2013年7月29日「頭頂部のAGA(男性型脱毛症)は前立腺ガンのリスクにも」




2023年8月31日更新
太融寺町谷口医院
院長 谷口恭