禁煙外来

禁煙治療薬チャンピックスを使用していて、自動車を運転中に“めまい、傾眠、意識障害等”が発現し自動車事故に至ったという事例が報告され、製造元のファイザー製薬が「自動車などを運転する人にはすすめられない」という決定をしました。これを受けて当院でも自動車などを運転する人に対するチャンピックスの処方は原則としておこなっていません。運転する人に対してはニコチン貼付薬(ニコチネルTTS)の院外処方が可能です。

 太融寺町谷口医院では、禁煙治療を保険診療でおこなっています。
使用する薬には、貼付薬(ニコチネルTTS)内服薬(チャンピックス)があり、いずれかを使用することになります。(両者の併用はできません)
尚、当院での院内処方は内服薬(チャンピックス)のみで、貼付薬(ニコチネルTTS)は院外処方となります。


★COPD(慢性閉塞性肺疾患)について

喫煙者で息切れ、咳、痰などが持続していればすでにCOPDに罹患している可能性があります。質問票(COPD-PS)で4点以上あれば「呼吸機能検査」をおこない現在の「肺年齢」を調べるべきかもしれません。「呼吸機能検査」や「肺年齢」に興味のある方は診察時にお申し出ください。(価格は3割負担で990円です)

COPDとは別名「タバコ病」とも呼ばれる病で、世界中で患者数が増加しており2030年には世界の死因の3位になるとも言われています。放置すると、うつ病や認知症、心筋梗塞や骨粗鬆症などを引き起こすこともあります。つまりCOPDとは単なる呼吸器疾患ではなく全身に症状をきたす大変やっかいな疾患なのです。詳しくは下記コラムを参照ください。

参考:はやりの病気第112回(2012年12月21日)「長引く咳(後編)」

 
                            

★保険診療でおこなう禁煙治療の流れ        

初回:初診
・問診(喫煙状況、禁煙の準備性、ニコチン依存症の程度、他にかかっている病気などをお聞きします)
・呼気一酸化炭素濃度の測定(特殊な器械を用いて測定します)
・禁煙宣言書の作成
・禁煙開始日の決定
・禁煙補助薬の処方

第2回:再診1(2週後)
・問診(禁煙状況や離脱症状についてお聞きします)
・呼気一酸化炭素濃度の測定
・禁煙補助薬の処方
 
第3回:再診2(4週後)
再診1と同様です。(貼付薬使用の場合は禁煙補助薬の濃度を減らすことを検討します)

第4回:再診3(8週後)
再診1と同様です。(貼付薬使用の場合は禁煙補助薬の処方はおこなわないこともあります)


★費用について(3割負担の場合)
初回の診察代金は3,000円~3,500円程度となります。 当院は院内処方(チャンピックスの場合)になりますので、12週間の合計金額はおよそ18,000円です。院外処方の場合はこちらをご参照ください。


★Q&A

Q1 禁煙には何度も失敗しているので不安です・・・

Q2 以前にも病院で禁煙外来を受けたことがあります。でも、途中で吸ってしまい、あきらめてしまいました。もう一度禁煙にチャレンジしたいのですが…

Q3 ニコチン貼付薬は皮膚がかぶれるって聞いたんですが・・・

Q4 私は「ニコチン依存症」なのでしょうか

Q5 保険診療を受けられるのは、どのような人なのですか




Q1 禁煙には何度も失敗しているので不安です・・・

A1 禁煙を意志だけでおこなおうとすると失敗する人も少なくありません。禁煙をおこなうという強い意志にニコチン製剤の上手な使用が加われば禁煙成功率は飛躍的に向上します。まずはお気軽にご相談ください。



Q2 以前にも病院で禁煙外来を受けたことがあります。でも、途中で吸ってしまい、あきらめてしまいました。もう一度禁煙にチャレンジしたいのですが…

A2 いったん保険診療で禁煙治療を開始すると、その後1年間は保険診療での治療を受けることができません。例えば、2010年4月1日に禁煙治療を開始した場合、2011年4月1日までは再び治療をおこなうことができません。これは別の医療機関を受診したとしても同様です、自費診療でなら1年が経過していなくても治療は可能です。


Q3 ニコチン貼付薬は皮膚がかぶれるって聞いたんですが・・・

A3 たしかにニコチン貼付薬で皮膚がかぶれる人もいます。軽症であればステロイド外用薬との併用で続けることが可能です。かぶれの症状がひどい場合には、ニコチンガムなど他の製剤を用いることもあります。



Q4 私は「ニコチン依存症」なのでしょうか

A4 「ニコチン依存症」かどうかを知るための方法として、合計10項目の質問に答えることで判定する方法が最も普及しています。これを「ニコチン依存症のスクリーニングテスト」と呼びます。10点満点のうち5点以上であれば「ニコチン依存症」と診断されます。禁煙外来を保険診療でおこなうには「ニコチン依存症」であることが必要です。10項目の質問を下記に記します。

   
問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。

問2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。

問3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。

問4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次の症状のどれかがありましたか。
(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)

問5. 問4の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。

問6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないと分かっているのに吸うことがありましたか。

問7. タバコのために自分に健康問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。

問8. タバコのために自分に精神的問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。

問9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。

問10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。


Q5 保険診療を受けられるのは、どのような人なのですか

A5 以下のすべての条件にあてはまる人が、保険診療の対象となります。

    ①ニコチン依存症を診断するテストでニコチン依存症と判断されたもの
   ②直ちに禁煙することを希望し禁煙治療を受けることを文章により同意しているもの
   ③過去1年以内に、保険診療での禁煙治療を受けていない


参考:
はやりの病気第66回 2009年2月号 「メンソールの幻想と私の禁煙」

はやりの病気第56回 2008年4月号 「ついに登場! 飲む禁煙薬」
はやりの病気第32回 2006年5月第2週号「そろそろ本格的な禁煙を!① 」
はやりの病気第33回 2006年6月第1週号「そろそろ本格的な禁煙を!② 」
はやりの病気第34回 2006年6月第2週号「そろそろ本格的な禁煙を!③(最終回)」
 
医療ニュース 

2013年8月2日 メンソール系のタバコが規制される可能性
2012年11月5日「喫煙で8~10年寿命が短く」
2012年8月1日「喫煙者率、2011年も過去最低だが・・・
2012年2月3日「年収低いほど喫煙率が高値」
2011年10月6日「禁煙で記憶力アップ!」
2010年10月1日「受動喫煙で毎年6,800人が死亡」
2010年5月18日「うつ病と喫煙の深い関係」
2009年10月26日「喫煙+高血圧+高コレステロール=寿命10年短縮」
2009年8月17日「低タールのタバコにしても効果なし」
2009年8月17日「長期喫煙者の6割がCOPDの疑い」
2009年5月15日「お酒弱いのに飲酒・喫煙で食道ガンのリスク190倍」
2009年4月24日「喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦、7割が失敗」
2008年12月15日「女性の喫煙は14.5年も短命に」
2008年6月1日「タバコと酒のコンビネーションが肺がんのリスク」
2008年2月12日「タバコで年間800万人が死亡」
2007年8月4日「タバコで余命が3.5年短縮」


2020年4月18日
太融寺町谷口医院
院長 谷口恭